アパレル通販の出入庫管理についての紹介です。
音声案内
ボイスピッキングなど音声による案内で作業を行うシステムについて
音声案内を付加することはメリット、デメリットがありますので、場面によっては生産性が下がることもあります。
音声案内のメリット
- 目視確認が減るので目に優しい。
- ピッキングリスト等を持ち歩く必要が無くなります。(バーコード処理を併用する場合はスキャナを持つ必要があります。)
- スポット派遣社員、新入社員などの作業説明の量を比較的減らすことができ、作業内容の理解も早められる可能性があります。
音声案内のデメリット
- 目視に比べて情報の取得が遅い。
- ピッキングリストや端末画面に従っての作業など、目視を主体とする場合、複数の情報を一目で確認することができますが、音声の場合は情報を一つずつ、かつ最後まで聞き取らないと正しく得ることができません。
- 音声がうまく流れなかったり、聞き逃しや聞き間違えをする可能性があるので、音声のみで基本作業を行う場合、バーコードスキャン処理などで再度音声を流すことができるシステムをアプリ側で作っておかないと、作業内容によっては効率性が落ちることがあります。
棚入保管処理
商品の保管先を自由に指定できるフリーロケーションを利用する場合は、バーコードを使った管理で作業ミスを減らすことができます。
保管先の棚などにバーコードシールを貼り付けて、棚のバーコードと商品のバーコードをスキャナで読み取り、それぞれのデータを紐づけて管理をします。
ただし端末の操作ミス、商品のスキャンミスなど人が行う作業はミスがつきものなので、これらを防ぐための工夫が必要になります。作業ミス時の音声案内は、作業者の理解を助けることができる可能性があります。
また前もって保管する商品や数量が分かる場合、棚入れと同時に数量検品を行うシステムを作ることができます。
下記は実際の作業内容を動画でご紹介いたします。
ピッキング処理
ボイスピッキングを採用しない場合は、スマホ型やハンディターミナル型など画面とスキャナが一体化したものがよりよい選択になると思われます。また場面によっては目視によるリストピッキングの方が作業効率が良くなる場合もあります。
ボイスピッキングに関しましては、場面がかなり限定されます。下記のような場面は、より良い結果を得られることが期待できます。
- ピッキング速度よりピッキングの正確性が優先される場面
- 不足している商品を離れた拠点から運ぶとき、ピッキングミスをすることで大きく時間コストが取られてしまうので、正確なピッキングが要求されます。
- 物理的なピッキング効率がそれほど良くない場面
- 高く積まれたダンボール箱に商品が詰められていて、その箱の中から指定の商品をピッキングする場合など、ピッキングするために箱を下ろす、蓋を開けるなどの作業を音声を聞きながらできるので、ピッキング効率の低下を防げます。
- ピッキングする順番を一筆書きで指定できるなど、単純化できる場面
- ピッキング方法が複雑になると、保管場所の聞き取りミスや勘違いが起こりやすくなり、ピッキング効率が下がる可能性が高まります。
下記にリストピッキングとの比較をまとめます。
リストピッキング
メリット
- A4用紙などにリストを印刷すれば、1枚の用紙に多くの情報を載せることができます。
- ハンディターミナルなどの端末操作に不慣れなスタッフでも作業ができます。
- イレギュラー時に手書きでリストに書き込むことができます。
- 慣れた作業スタッフの場合、リストの内容を確認後、最も効率の良いピッキング方法を選択して実行することで作業のスピードを向上させることができます。
デメリット
- ピッキングリストの印刷時間コスト、用紙やインク代のコストがかかってしまいます。
- ピッキングがされたかどうかをコンピュータで把握することが出来ないので、ピッキング中に正確な在庫を取得することが難しくなります。
- ピッキングリスト、チェック用のペンなど持ち歩くツールが増えてしまいます。
- 作業スタッフが自由にピッキング方法を選ぶことでの作業ミスの種類が増える可能性があります。
- 例えば下記のようなピッキングミスが増え、その対策が必要になります。
- 正しい保管先から間違えた商品のピッキング
- 間違えた保管先から正しい商品のピッキング
- 間違えた保管先から異なる商品のピッキング
- 間違えた商品を正しくない保管先に保管してしまう。
- 上記のミスにより、商品の行方不明や紛失が増える可能性が高くなります。 商品を棚に戻すときは端末によるバーコードチェックを行うなどのシステムが必要になる可能性があります。
- 用紙への書き込みが増えると内容をデータ化しての管理が煩雑になる可能性があります。
バーコードピッキング
メリット
- ピッキングリスト印刷が不要のため、印刷コストが無くなり、端末へのデータ受信のみで作業を始められます。
- スマホ型やハンディターミナル型など画面とスキャナが一体型の場合、持ち運ぶツールが端末のみとなります。
- ピッキング時にサーバに情報を送れるシステムならば、ピッキング中でも正確な在庫を取得できます。
- バーコードによる照合で正確なピッキングを期待できます。
デメリット
- ピッキング方法をアプリに合わせる必要があるので、場面によってはピッキング効率が悪くなる可能性があります。
- 複雑なピッキング方法を行おうとする場合、アプリ作成コストが高くなる。
- 作業スタッフは端末の操作を覚える必要があります。
- 保管されている棚や商品のバーコードをスキャンする手間が増える。
- 使用するピッキングアプリに組み込まれていないイレギュラー対応時の方法を考える必要がある。
下記バーコードを使ったボイスピッキングの作業例です。 弊社では発送する商品の在庫が複数の拠点に分かれている注文があったとき一つの拠点にまとめて発送をしていましたので、拠点間の商品移動のピッキングに利用していました。
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